catch-img

売れていても再購入されない理由を探る『併売データ』から見抜くリピート戦略の鍵

売上は好調でも、顧客が二度と戻ってこない現象—「売れても再購入されない理由」—は、

持続的な成長を阻む深刻な課題です。

本記事では、このリピート率の壁を乗り越えるために、従来のデータでは見えなかった「顧客のリアルな行動」に焦点を当てます。

mitorizのPOB(Point of Buy®)データを活用し、顧客が購入時に「何を一緒に買っているか」を分析することで、リピート購入を促すための戦略的な施策を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.1. POSデータではわからない「隠れた離脱要因」
  2. 2.2. POBデータで読み解く「顧客のリアルな購買ストーリー」
    1. 2.1.【POBが提供する独自のインサイト】
  3. 3.3. POBインサイトを活用したリピート戦略
  4. 4.まとめ

1. POSデータではわからない「隠れた離脱要因」

再購入が少ない理由はいくつかありますが、従来のPOSデータ(販売時点情報)だけではその本質的な原因を特定できません。

POSデータには以下の情報が欠けているからです。

  • 購入時の「競合選択」: 顧客が自社商品を購入した際、同時に競合他社の類似商品も購入しているかどうか(=比較検討しているか)が分かりません。

  • 「生活上の併用」: 自社商品を使った後に、次に何を買ったか、他のカテゴリーの製品と併用されているかなど、生活文脈での購買行動が不明です。

  • 「なぜ買ったか」という理由: 購買の動機や感情(例:「たまたま安かったから」「SNSで話題だったから」)がデータに残らないため、次につながる戦略が立てられません。

特に、顧客体験が良好なブランドはリピート率が高いという調査結果(出典:CXレポート2023など)がありますが、

その体験が本当に「自社製品」で完結しているかは、購入者の他の購買履歴を見ないと判断できません。

2. POBデータで読み解く「顧客のリアルな購買ストーリー」

顧客が再購入しない理由を探るには、POSデータの限界を超えたマルチID-POSデータが必要です。

mitorizのPOB(Point of Buy®)データは、レシート情報とID(個人)を紐づけ、業態を横断して顧客のリアルな購買ストーリーを可視化します。

【POBが提供する独自のインサイト】

  1. 併売行動の発見: 自社商品を購入した人が、その直後にどの競合商品や関連商品を購入したかという「カテゴリーをまたいだ購買行動」を正確に把握できます。

    • 例:A社のシャンプーを買った後、B社のトリートメントを買っている顧客層

  2. 流通横断での競合分析: 特定の小売チェーンに縛られず、コンビニ、ドラッグストア、スーパーといった全業態を横断した競合との戦況をリアルタイムで把握できます。

  3. 購入理由のデータ化: レシート投稿時のアンケート機能を活用することで、「なぜこの商品を選んだか」という顧客の生の声や動機をデータとして取得できます。

3. POBインサイトを活用したリピート戦略

POBデータで得られた深いインサイトを活用することで、顧客との関係を強化し、再購入を促す戦略的なマーケティングが可能になります。

課題

POBデータによるインサイト

戦略的な施策

競合流出の阻止

自社商品と競合商品が同時に購入されている購買層を特定。

競合商品と一緒に陳列される販促物の内容を強化。店頭で優位性を確立する施策に集中できます。

適切な商品開発

「価格」を理由に離脱している顧客層と、「品質・機能」を重視している顧客層の併売行動を分離して把握。

顧客のニーズを正確に捉え、魅力的な商品やサービスの改良を行うことができます。

パーソナライズの精度向上

過去の購入履歴と併売履歴を基に、次に購入する可能性が高い関連商品をレコメンド。

顧客にカスタマイズされたプロモーションを行うことで、リピート購入の動機付けを強化できます。

まとめ

再購入されないという課題の背後には、「消費者の行動と動機」が見えていないというデータ不足の問題があります。

POSデータに頼る「売上分析」から、POBデータを活用した「購買行動分析」へと切り替えることで、

初めて顧客が本当に求めているもの、そして競合に負けている要因を正確に把握できます。

データドリブンなアプローチで、貴社のリピート購入率を向上させるための戦略を、mitorizと一緒に構築しませんか?