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ラウンダー活動、「何を指示すれば」成果が出るのか——曖昧な指示を活動KPIに変える設計方法

(想定読者:自社雇用ラウンダー・フィールドスタッフを運用しているメーカーの営業企画・営業推進ご担当者様/読了目安:約4分)


目次[非表示]

  1. 1.「巡回はしてくれている。でも、成果につながっているのか分からない」
  2. 2.成果が出る現場は「何が出来れば〇なのか」を決めている
    1. 2.1.KGI(最終ゴール)とKPI(活動ゴール)を分ける
  3. 3.活動KPIの設計例——曖昧な指示は、こう変わる
  4. 4.設計したKPIは、PDCAで精度を上げていく
  5. 5.まとめ:指示の精度が、ラウンダーの成果を決める

自社でラウンダーを運用されている企業様から、こんな声をよく伺います。

「売場をきれいにしてきて」と伝えているが、担当者によって仕上がりがバラバラ

•   報告は毎週上がってくるが、「頑張りました」以上のことが読み取れない

•   巡回コストに見合う成果が出ているのか、判断材料がない

こうしたお悩みの原因は、ラウンダー本人の力量不足ではないケースがほとんどです。多くの場合、問題は指示の設計にあります。

「売場をきれいに」「新商品をよろしく」——この指示では、何を・どこまで・どうなれば達成なのかが人任せになります。判断基準が現場任せになれば、成果が担当者ごとにバラつくのは当然の結果です。

私たちは20年以上フィールドマーケティングを専業としてきましたが、成果の出る店頭活動には共通点があります。それは、活動を始める前に「何が・どうなれば達成なのか」というゴールを活動指示書のレベルまで明確にしていることです。

ここで重要なのが、指標を2つの層に分けて考えることです。

KGI(最終ゴール)とKPI(活動ゴール)を分ける

•  KGI:売上・ROIの最大化。事業として最終的に達成したい数値

•  KPI:KGIから逆算した、ラウンダーの行動レベルの達成基準

「売上を上げてきて」はKGIをそのまま現場に投げている状態です。売上は競合のキャンペーンや天候など外部要因の影響も受けるため、ラウンダー個人がコントロールできません。コントロールできない指標を指示されても、行動は変わらないのです。

一方、KPIは「ラウンダーの行動で直接動かせる数値」に落とします。ここまで分解して初めて、指示は機能します。

活動KPIの設計例——曖昧な指示は、こう変わる

店頭販売力を分解すると、ラウンダー活動のKPIは大きく次のような項目に整理できます。

よくある曖昧な指示

活動KPIに変換すると

「売場の露出を広げて」

フェース数拡大/展開箇所数(エンド・平台の獲得交渉件数)

「新商品を出して」

配荷アイテム数拡大/欠品・欠落品の導入交渉件数

「売場を維持して」

売場メンテナンス実施率(前出し・プライスカード・販促物設置の確認)

「店頭情報を報告して」

店頭状況調査の報告件数(自社・競合の定量/定性情報)

ポイントは、どの項目も「実施したか/何件できたか」をその日のうちに数えられることです。数えられる指示になった瞬間、報告は「頑張りました」から数字に変わり、店舗別・担当者別の進捗が比較できるようになります。

さらに、KPIには達成目標数値をセットで設定します。

「エンド獲得交渉」ではなく「今月、担当エリアでエンド獲得○件」。

ここまで決めて、初めて活動指示書として機能します。

設計したKPIは、PDCAで精度を上げていく

KPIは一度設計して終わりではありません。成果につなげるには、次の3段階で回し続けることが必要です。

1. 準備段階:ゴールの明確化 重要度・優先順位を踏まえて活動をスケジューリングし、チェーンごとに「何が出来れば〇なのか」を設定します。販促企画がない期間も、定番売場の完全メンテナンス(フェイシング、販促物)など、数字を積み上げるための活動をあらかじめ決めておきます。

2. 活動期間中:進捗の把握とリカバリー 月度の進捗管理を徹底し、店舗別・担当者別に遅れがあれば教育フォローや計画の再調整を行います。成功事例・失敗事例の共有もこのタイミングです。進捗が「見える」からこそ、期中のリカバリーが可能になります。

3. 活動後:KPI項目そのものを進化させる KPIは一度決めたら固定するものではありません。見直すべきタイミングは2つあります。

• 店頭の実現状況とズレが出てきたとき:例えば「フェース数」を指標にしていても、棚割変更の頻度が上がって実態捉えきれなくなることがあります。現場で拾った違和感は、KPI項目そのものを微調整するサインです

メーカー側の戦略が変わったとき:注力チャネルや新商品の投入方針が変われば、活動指示書で重視すべきKPIの重心も動きます

ここで注意したいのは、KPIを「売上が動いたかどうか」だけで判定しないことです。売上(KGI)は競合施策や市況など、ラウンダーの行動以外の要因にも左右されます。KPIをKGIと連動させすぎると、外部要因の影響までKPI項目のせいにしてしまい、KGIとKPIを分けた意味が薄れてしまいます。KPIはあくまで「店頭で今何が起きているか」と「メーカーが今どこを重視しているか」の2つを軸に、独立して磨いていくものです。

まとめ:指示の精度が、ラウンダーの成果を決める

ラウンダー活動の成果は、「誰が回るか」よりも先に「何を指示するか」で大きく変わります。

• 曖昧な指示は、成果のバラつきと「読めない報告」を生む

• KGIとKPIを分け、行動レベルの達成基準に落とす

「何が・どうなれば達成なのか」を活動指示書で明確にする

• 設計したKPIは、進捗管理と相関検証で磨き続ける

まずは現在ラウンダーに出している指示を書き出し、「その日のうちに数えられる形になっているか」を確認してみてください。それだけでも、指示の解像度は大きく変わるはずです。


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