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販促物に関する実態調査

今回は、全国のPOB会員6,284人(平均年齢50.5歳)に、「販促物に関するアンケート」を2023年4月7日~4月10日に実施しました。
店頭でよく見かける販促物がどれだけ消費者に影響を与えているのか調査をいたしました。

販促物の視認率

まずは、店頭で販促物を見たことがあるかを尋ねました。
(※販促物…POP、ポスター、パネル・ボード、商品に貼付してあるシールPOP、電子POPモニター等)

約9割の人は店頭で販促物を「見たことがある」

販促物を見たことがある人は約9割となりました。男女別でみると、わずかですが女性(+4.7P)の方が販促物の視認が高い結果でした。

販促物をどんな店頭で見たかを聞くと、「総合スーパー、食品スーパー(87.2%)」が最も高く、次に「ドラッグストア、薬局(68.8%)」、「コンビニエンスストア(62.8%)」の順となります。
男女で比較すると女性の方が販促物の視認率が高く、中でも「ドラッグストア、薬局(+10.0P)」は最も差が大きい店頭となりました。男性は「量販店(+4.2P)」や、わずかではありますが「ホームセンター(+0.3P)」、「コンビニエンスストア(+0.2P)」といった店頭で、女性より販促物の視認率が高い傾向となりました。

販促物が商品購入のきっかけに?

次の項目から、販促物がどれだけ消費者に影響を及ぼすのか調査していきます。

販促物がきっかけで商品を購入したことがある人は約6割

販促物を見たことがきっかけで商品を購入したことがある人は59.9%となりました。男女別でみると「男性(52.8%)」、「女性(65.7%)」と、女性の方が販促物を見て購入に至る経験が多いようです。

販促物を見て購入する【店舗】・【商品】

どんな【店舗】や【商品】で販促物の効果が大きいのか、更に深堀していきます。

最も影響があるのは「スーパー(76.0%)」・「飲料(46.3%)」

販促物などを見たことがきっかけとなり商品を購入したことのある店舗は、「総合スーパー、食品スーパー(76.0%)」が最も高い結果となりました。
男女別でみると、どちらも最も高いのは「総合スーパー、食品スーパー」で変わらずですが、次に購入経験が高い店舗は、男性は「コンビニエンスストア(48.2%)」、女性は「ドラッグストア、薬局(53.8%)」でした。

一方、販促物を見てどんなものを購入しているかみると、男性は「飲料(50.2%)」、「酒類(41.9%)」の購入率が高いことがわかりました。
女性は男性と同様「飲料(43.6%)」が最も高く、比較すると特に「日用品(+9.7P)」、「化粧品(+24.4P)」、「調味料(+12.7P)」の購入経験が男性より高い傾向でした。

「何か飲み物を買おうと思っていたが特に銘柄などは決めていなかったので販促を見て決めた。(20代男性)」
「晩御飯のメニューに困った時スーパーに見本が合って真似して買った(40代女性)」
「調味料を買うつもりではなかったが、POPをみて簡単に美味しいものが作れるならと購入した。(40代女性)」
「スーパーで調味料を買おうと予め商品を決めていたが、陳列棚のPOPメッセージが魅力的で手軽に本格的な味が出せそうで試したくなり決めていた商品とは別のものを買った。(50代男性)」
「特に買う予定がなくても日用品、化粧品、食品などでPOPに興味深い文言があると興味が湧く。(60代女性)」
「化粧品など買うときは@コスメ1位などのPOPを見て買う(20代女性)」

販促物を見て実際に購入を決めた理由

「訴求内容が魅力的だったから(45.4%)」

販促物を見て購入に至った理由として最も高かったのは「訴求内容が魅力的だったから(45.4%)」で、「ポイント倍や割引POPがあったから(36.2%)」を上回りました。次に多い理由は、「どういう商品なのかよくわからなかったので販促物で判断したから(30.8%)」、「店舗のオススメPOPがあったから(26.2%)」が続きます。特に女性は男性に比べ「店舗のオススメPOPがあったから(+9.8P)」が高いことが特徴です。

女性の方が販促物をよく見ているという前出のアンケート結果は、POP類などを参考にして実際に購入をする機会が多いためと言えるでしょう。

お得な情報が意思決定に大きく影響があることはもちろんですが、商品の特徴が良く伝わり、第三者からおすすめされるという点が、消費者の購買意欲を高めることに重要であることを改めて気づかされる結果となりました。

「動画で人気のインフルエンサーがおすすめしていたクレンジングがあったので速攻で購入した。(20代女性)」
「お菓子や飲み物、化粧品、日焼け止めなど、「新商品・人気商品・今話題の」などと書いて販売されてあると、ついつい買ってしまう。(30代女性)」
「電子POPの商品は声の説明が流れてくるので、引き込まれやすく、ついつい見てしまいます。わかりやすい使用説明や商品のこれは良い商品と言ったアピールが購買意欲をかきたてられます。汚れがとにかく落ちると言った洗剤類は特に買ってしまいます。(40代女性)」
「日焼け止めを購入しようと思った時に、どのような効果があるのか、クレンジング不要などの情報がわかりやすいPOPだった(50代女性)」
「発泡酒を購入するとき自分の好きなタレントだったので(50代男性)」
「特に何を買うかは決めてなかったけど当店“オススメ”とかPOPに書いてあるとついつい買ってしまいました。(60代男性)」

販促物が購買行動に与える影響

次に、販促物がどれだけ購買行動に影響を与えるのか調査しました。

約半数が「ある」と回答

元々購入する予定はなかったが、販促物を見たことがきっかけとなり商品を購入したことがある人は約半数となりました。

購買行動には、計画購買と非計画購買の2種類があります。計画購買は入店前にすでに買うものを決めていることを指し、買うものは商品の内容だけでなく、「メーカーAの〇〇」など、具体的な内容まで決まっていることを言います。非計画購買は、元々買おうと思っていなかったものを購入する行動の他に、メーカーA社の商品を買おうと思っていたけど、実際買った商品が異なった場合も含まれます。
この非計画購買に、販促物が大きく影響していることをコメントからうかがい知ることができました。

「お酒は買わない予定だったが、飲みやすそうなお酒のPOPに惹かれて購入した(20代女性)」
「買う予定無くてもボーナスポイントが付く表示を見るとつい買ってしまった。(30代女性)」
「化粧品を選ぶ際、ポップがついている方がわかりやすくて選んだ。(40代女性)」
「元々購入する予定はなかったが店頭モニターでCMを見たきっかけとなり虫コナーズを購入しました(40代男性)」
「目薬の種類が多くて、自分に合う効果のものが決められなかった時に店舗のオススメやこんな方にいいという内容で買うきっかけとなった。(40代女性)」
「甘い缶チューハイは買わないけど、ポップが魅力的だったのでつい買ってしまった。(50代女性)」
「特に買う予定はなかったが、モニターをたまたま見て効果良さげだったのでトイレ消臭剤を購入した(60代男性)」

訴求効果の高い販促物とは?

最後に、有効な販促物とはどんなものか、消費者アンケートから導き出します。

■どんな販促物が商品の購買意欲に影響しますか?(N= 6284)

商品周りにあるPOP                  :   50.5%
ノベルティ(おまけ)                :   27.8%
商品に貼付されているシール   :   21.0%
大きなボード・ポスター     :   15.6%
電子POPで流れる音声や映像   :   8.0%
レジ横にある吊り下げ什器       :   4.4%
その他                                        :   2.1%
特にない                                    :   29.6%

「商品周りにあるPOP(50.5%)」は「ノベルティ(おまけ)(27.8%)」を上回り、購入意欲に影響すると回答されました。「特にない」が3割なので、7割の人は販促物で購買意欲に影響があると考えられます。

実際にどのような影響があったのか、消費者の経験をコメントの一部から抜粋します。

「たくさんある商品の中でも値札まわりにワンポイント印があると目につきやすく手に取りたくなるので、購入にいたることが多い気がします。(30代女性)」
「何種類かで悩んだときはPOPを参考にして決めることが多い(40代女性)」
「商品が多いので比較しすいから(40代男性)」
「商品に貼られているシールは、その商品の特徴などが書いてある事が多いので目に付きやすく、その商品の推しが分かりやすい。(50代女性)」
「お試しサイズがついていると得した気分。歯磨き粉のお試しサイズを使ったところ、とても良かったので、歯磨き粉本体を買うきっかけになったこともある。(50代女性)」
「どれを買っていいのかわからないときPOPがあると選びやすい(50代男性)」
「どんな商品なのかアピールが強いと、つい試してみたくなる(60代女性)」

6割の人が販促物を見て購入した経験があることから、販促物のもつ影響力は大きく、消費者に商品理解をしてもらうのに有効な手段であることが改めてわかりました。
販促物を用いてより多くの非計画購買者に商品を手に取ってもらうことが、客単価、売上アップへの重要なポイントになると言えるでしょう。

mitorizは、レポート分析・データ活用をもとに、ラウンダーから店頭調査、覆面調査、販促物制作・設置まで、店頭での売上を活性化させるため、幅広いサポートを行うことが可能です。


今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。

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